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夏目友人帳　第8話「儚い光」

ある沼に蛍を見にやって来た夏目とニャンコ先生。そこにいたのは、沼を見つめる男性と彼に寄り添うようにしている妖だった。その男性はかつて妖を見ることができたこと、ある日突然その目が妖を映さなくなったことを聞いた夏目。自分にも彼のようにずっと望んできた解放の時が訪れるのか。もう妖を見ることのない男性が、何故この沼に来ているのか知りたいと思う夏目は――。


ホタル…なんとなく夏の終わりを感じさせるようなお話でした。

「妖怪が見えなくなる。そんなこともあるのか…」
大人になると、妖怪が見えなくなるということがあるようで。
それはさながら、世の中の汚れを知ってしまい、子供の頃の無垢な気持ちを失くしてしまうと共に見えなくなってしまう何かの妖精さんのように…。

ただ、今回の杉野さんの場合はそういうわけでもないのかな。
彼は妖怪を愛した。その後、妖怪が見えなくなってしまった。
…もしかしたら、人間と妖怪は一定以上近づいてはいけない、ということを暗示しているのかもしれません
人間と妖怪は所詮別物。一定の領域を侵してはならない…。
妖怪が見えなくなったのも、人間の本能がそんな部分を察知したからなのかもしれません。

もし妖怪が見えなくなったら。
「嫌だな…」
夏目はポロッとこんなことを口ににしました。
これが彼の本心なんでしょうね。後から付け足した言葉はあくまでこれまでの体裁を保つためのもの。
これまでは、心の底から妖怪が見えることを嫌がっていたのかもしれません。
しかし、夏目も妖怪と触れあううちに、心変わりしてきているのでしょうね…。
彼も成長しているのでしょう。

今まで当たり前のように見えていたものが突然見えなくなってしまう。
人間は何かを失ってからじゃないとその存在の大きさに気付けないという愚かな生き物。
その点夏目は、こういう人（妖怪が見えなくなった人）と出会えて、考える機会が生まれたことはとても大きいのではないでしょうか。
彼自身にとっての当たり前の大切さ…そんなものに夏目自身が気付けたのなら良いのですが。
「それは僕にとって解放だろうか、それとも…」

「妖怪と人間は所詮別物だ。でも…
　例えいつの日か妖怪が目の前から姿を消しても、出会った思い出は決して消えることはないだろう。
　それは、何一つ…」
最後の夏目のこの言葉。
これが彼自身の結論なのかもしれません。


それにしても、「虫の姿でもあの人に会いたい」というホタルの願いはなんとも切ないものですね。
それこそ、人の夢は儚いもの…なのかもしれません。
彼女の場合はホタルですがｗ


次回、第9話「あやかし祓い」


ううむ…。また、自分でもよく分からないような文章を書いてしまった、と反省しております。


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