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講演会「アニメがいま大ピンチ ~ノイタミナ、その新しい挑戦~」 レポ&感想

「アニメがいま大ピンチ ~ノイタミナ、その新しい挑戦~」 @早稲田祭


に参加してきました!

ノイタミナのプロデューサーである山本幸治さんのお話が聞けるということで、日頃全く縁のない早稲田大学へと赴いたのですが・・・とにかく人が多い!有名私大の学祭というものをナメておりました・・・。

会場に着くと、いつも以上に真面目な雰囲気でびっくりしました。大学の講義室の雰囲気というやつでしょうか?資料も配布され、ますます真面目なイベントっぽい・・・。さすがは「講演会」なだけあるなぁ・・・と思いつつ、イベントスタート。

まずはトークの相手をすることとなったサンキュータツオさんが登場。さすがは芸人というだけあって、アニメのトークも交えて参加者を笑わせながら会場を温めました。開演前の真面目な雰囲気も氏のトークでだいぶ和らいだ感じですかね?そしていよいよノイタミナのチーフプロデューサーである山本幸治さんが登場。ここからは濃いノイタミナのトークが展開されていくことになります。


山本さんが考えるプロデューサーの仕事。メディアプラン・ビジネスプラン・クリエイティブプランを考えるという「企画三要素」・・・などプロデューサーの仕事についての話に始まり、そこからノイタミナがなぜ生まれたのか、という話へと展開していきます。

まず、男ばかりが登場するアニメが放送されている日テレ深夜アニメ(火曜深夜)の話。その枠のプロデューサーの個の趣味が許されており、そのマンパワーで行われている。面白ければいいじゃない、というスタンス。日テレで羨ましいのは、ジブリの放送権を持っていて、さらにMADなどに出資している。アニメの枠が多いわけではないけれども、メディアの戦略として「アニメ」を大事にしている・・・とコメント。

では、なぜノイタミナが生まれたのかというと、フジテレビ内で「ワンピース」が改編時期のたびに終わるんじゃね?と言われてた時に、アニメが日テレに負けるんじゃね?と危機感を持ったフジテレビ内のアニメ好きが20名ほど集まることとなった。社内ではアニメに対してアウェーだった中、そこから数名でノイタミナを立ち上げることになったのだとか。

少女漫画好きだった山本さんは、当初は「Paradise Kiss」のアニメ化単独で動いていた。上の人(?)に「パラキスはどこかでやろう」と言われており、とりあえず費用を集めるために動いていたところ、ハチクロのアニメにすいてもも平行して別に動いていたようで、その2つのアニメに関してアニプレやエイベックスが話に乗ってくれたとか。そもそもはノイタミナという枠を作ってアニメを放送していくつもりはなかったということになりますかね。

ハチミツとクローバー・Paradise Kiss・怪~ayakashi~・獣王星・ハチミツとクローバーII・・・はノイタミナの第一期。ノイタミナとして続くことになった理由は「創成期の混乱ゆえ」。「怪~ayakashi~」は山本さんの先輩がやろうとしていた企画で、この頃はまだプロデューサーが作品ごとに乱立していた時期(怪と獣王星のプロデューサーも別)。これは日テレの深夜枠的な考え方で、それぞれのプロデューサーのマンパワーで動いていたようで。

働きマン・のだめカンタービレ・モノノ怪・もやしもん・墓場鬼太郎・・・はノイタミナ第二期。ここからアスミックと年間契約することに。元々は「墓場鬼太郎」を「怪~ayakashi」のところでやろうと思っていたけれど、少女漫画が続いた後にさすがに墓場鬼太郎は・・・という感じでアニプレに断られてしまったのだとか。墓場鬼太郎の時期はおねランもなく、この時間帯の視聴率は1位だった。そのまま、図書館戦争・西洋骨董洋菓子店・のだめカンタービレ巴里編・源氏物語千年紀 Genji・・・と続き、ここまでは結果オーライ期。

けれども、業界的にもこのままやっていけるのか?と考えるようになり、もっと本格的でスケール感のあるオリジナルを!ということで「東のエデン」がアニメになった(エデンは墓場鬼太郎の放送時期くらいから準備をはじめていた)。この東のエデンから、東京マグニチュード8.0・空中ブランコ・のだめカンタービレ フィナーレ・・・がノイタミナ第三期。「空中ブランコ」は山本さん自身も傑作だと思っていたけれども、まさかここまで売れないとは思わなかったとか。そして、山本さん曰く、「ノイタミナはのだめ(三期)で一度終わった」と。

そこからノイタミナを1時間枠に拡大(NOISE枠との統合が遅れて、やっとこの時期にまでズレこんだ?)。視聴率の比重を下げ、カドのある作品を優先するようになった(さらい屋や放浪息子などサブカルでエッジの効いた作品)。「もやしもん」のドラマもこれまでとは違うカドのあるものを・・・という感じで放送することにしたんだとか。

ちなみに、NOISE枠はノイタミナの実験場・底上げの意味合いがあったようで。その頃、フジテレビ内でアニメへの見方も、当初よりはマシになっていたとか。ただ、フジテレビというリア充局からすれば、やっぱりアニメというものは異質だったようで。元々ノイタミナでアニメ業界を牽引しようというような思いはなく、他に続いていければ・・・という意識で、ノイタミナ自体は一般層との繋ぎとなる役目だと思っていたとか。ただ、一般層がパッケージを買うかというとそうでもなく、改編後は サブカル カルチャー(指摘を頂きましたので訂正させていただきます)を大事にしている層向けに切り替えていった。現状のようなエロ系の作品をやっていて未来はあるのか?というと、「ないだろう!」と。

ノイタミナの裏番組であるおねランの話があったりし、質疑応答のコーナーへ。

・アニメを選ぶにあたっての共通点は?
→温度みたいなものを作れるもの。熱気があるもの。

・ノイタミナでアニメ化したかったアニメは?
→おお振り・デュラララ!!

・プロデューサーになるためにしておくことは?
→アニメ以外のものを見て、アニメを相対化する。

・ノイタミナという名前の由来や、他の候補は?
→「すし」を「シースー」と言ってるようなノリでノイタミナに。「King of anime」で金亀…なんて候補もあったとか。

・主題歌が合ってなかったりすることがあるけれども?
→源氏物語千年紀でのPUFFYの主題歌があがってきたとき出崎監督は「これが有りだと勇気づけられる」とコメントしていたとか。ソニーはノイタミナの頭から一緒にやってくれているのであっていない主題歌を意図的に選ぶことはない。合ってるかな?と思って選んだのがたまたま外れてしまうことはある。

・フラクタルへの意気込み
→東のエデン以上のオリジナルを狙っている。山本寛監督が「ラピュタをやりたい」と言って、どうせならラピュタ以上のものを作ろうとなった。燃料は色々と投下してくれるから話題に欠けることはないと思う。

・やられやくに関して
→見ていないし気にしない。気にしても仕方がない。

質疑応答も終了し、最後に1月頭あたりに記者発表をustなどで放送し、今後(4・7月あたり?)の新作発表を行う予定だと告知。オリジナルでけっこう仕掛けてきていることを示唆していたりもしました。


そのまま講演会は終了。レポはだいぶ端折って書いたりしているので、とりあえずニュアンスだけ伝われば・・・という感じです。

そんなわけで、終わってみれば笑いもあるフランクな雰囲気の講演会となりました。とにかく、ノイタミナについての様々な話が聞けて非常に興味深かったです。日テレ深夜枠アニメとの関連があったのも意外でした。関連があった・・・というか、どこか意識している部分もあった・・・という感じでしょうか?とにかく、アニメについてそれなりに知識がある人向けのなかなか濃い話を聞くことができたのは非常によい機会となりました。

アニメが現在いかにどう危機的な状況なのか・・・という点の話がもっと聞けたら嬉しかったですかね。一応タイトルも「アニメがいま大ピンチ」となっていたわけですし(笑)。ノイタミナが現在のアニメ業界で流行っている作品とはまた違ったベクトルにある作品を世に出していってる・・・というのは非常に伝わってきましたが。

やはり、ノイタミナはノイタミナで他とは違うものを意識しているようで、今後の「サブカル カルチャーを大事にしている層」向けにどういった作品を供給していってくれるのか、非常に期待したいところであります。

山本幸治さん、サンキュータツオさん、そして早稲田大学アニメ声優会の皆さんありがとうございました。興味深い話が盛りだくさんで非常に楽しかったです。


(※11/8…加筆・修正を加えました)

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