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けいおん！！　第23話「放課後！」

脚本：吉田玲子　絵コンテ：武本康弘　演出：石立太一　作画監督：植野千世子　楽器作監：高橋博行


丸一日を使った、軽音部の長いようで短い放課後を描いたお話。何とも軽音部らしいゆったりとした過ごし方だったわけなんですが、やはり節々に「最後だから」という卒業へ向けての行動があったりして寂しいところです。そして、一つ一つの事柄に何らかの意味がありそうな気すらしてくる・・・それほどに起きる事柄が印象的だったりしました。むしろ最終回直前でよくここまで色々な要素を詰め込んできたなぁ・・・と驚いていたりもします。それくらい、様々なシーンから軽音部らしさが溢れているような回だったのではないのでしょうか。


冒頭では、憂かと思わせておいて自分でアイロンをかけていた唯の姿に成長を感じます。しかしみんなで集まると軽音部らしくなります。不思議！ノープランで集合をかけたところからもはや軽音部らしいですし、軽音部すごろくでマスに書く内容で挙げられる一つ一つから軽音部っぽさが滲み出ていますし、部活の申請用紙が残っているのになんとなく軽音部の過去を感じると同時にりっちゃんらしさも感じますし・・・。挙げ始めたらキリがないくらいです。

ただ、もちろん一女子高生の卒業も描いているのです。自分たちが生活してきた教室なのに何か違うように感じてしまったり、引き出しの中に色々なものが溜まっていたり・・・。こういう部分も描かれると、やっぱり彼女たちは普通の女の子なんだよなぁ…とも思ってしまいます。

和ちゃんはいつもと変わらず・・・と思っていたけれど、顔を赤らめるという貴重な場面が。とはいえ、卒業前なのにあまりこれまでからブレていないのが実に和ちゃんらしいなーと思ったり。軽音部だって今回は実に軽音部らしかったわけですが、色々とブレまくってるのが軽音部らしさなのです。

そして梓の登場。パン係。あずにゃんぼっち問題とかどうでもいいんですよ、そんなの。今回は、体操服を着替えるのを忘れてしまうほど先輩たちとの時間に没頭されていた…というのが何とも可愛らしい。あずにゃんは軽音部が好きなんだなーもう！そんなことはわかっているのに、まだ描いてくるなんてｺﾉﾔﾛw

Bパートでは、部室に感謝の気持ちを込めての掃除。やっぱり軽音部と言えば部室です。軽音部にとっては何気なかったけれども大事な場所であり続けた部室。掃除することによってその部室の存在をしっかりと描いて視聴者に意識させたのではないのでしょうか。まぁ離れる前に大事な場所を掃除する、というのはよくあることではあるんですが、それをしっかり描いたというのは部室の大切さを改めて感じさせてくれる良いシーンでした。

放課後になったことを告げるチャイムが鳴るシーンでは、澪・ムギ・律が顔の半分だけ映されていたのに対し、唯だけ顔の全体が映されるという何かを意識した特徴的なカット割りに。このカットの割り方は何だったんでしょうね…気になります。その後、最後の放課後だということに慌てふためく唯が印象的。彼女がここまで、それなりにいつも通りの放課後のような過ごし方をしてきたのがわかります。

梓も合流。これまで部室での演奏に対してはけっこう受動的だった面々が、珍しく能動的に演奏しようとしているのがなんとも。部室に入るまでは梓視点で描かれていて、先輩たちがやる気を出しているところを見た梓は嬉しくなったことでしょう。そして軽音部の歌をカセットに残すことに。「放課後とは人生の無駄遣い」というりっちゃんの名言も生まれたり。ただ、彼女たちはその人生の無駄遣いを中心に生活してきたんですよね。それらは果たして無駄だったのでしょうか？なんともおかしな言葉になってしまいますが「（意味のある）人生の無駄遣い」な気がしますね。彼女たちにとっての放課後とは。

さてさて歌の録音ですが、１曲１曲を録っていく様はどこか一発録りのレコーディングを想起させたり。演奏以外の音が入ってしまっても続けてしまうのがやっぱり彼女達らしい。記録を残しているのを見守っているさわちゃんの姿は、彼女の軽音部に対する立ち位置が如実に現れてるシーンだったのではないのでしょうか。演奏を録音していたカセットが、これまでサブタイに登場していたカセットだったというのがまたニクい。

真っ白のホワイトボードが映されて終わる本編は、いよいよ終わってしまうんだな・・・と寂しい気持ちにさせられる反面、彼女達の新しい未来の可能性を示しているような気もしました。


・・・とまぁそんな感じで長々と色々書いてきましたが、今回に関しては特に深く考えずに見て、その見たまま感じたままの感想でいいと思うんですけどね。軽音部が軽音部なりに卒業を前にやりたいことをやった、というだけのお話ですし。ところどころに軽音部らしさが出ていて、卒業を前にした軽音部はこういう行動をするのかぁ・・・と箱庭的に微笑みしながら？泣きながら？見ればいいだけなんじゃないんですかねぇ・・・と。

そんなわけで、自分は自分なりにあまり考えずに思ったことを書きました。すみません、表面的なことしか書いてなくて。けれど、「けいおん!!」ってそういう深いところまで考察していくような見方をする作品ではないなんじゃないかなーと常々思っていたので、なんとなくいつも以上に書きたいことをブログに残すことができたかなー・・・なんて思っています。

次回はいよいよ最終回。見たいようで見たくないようで・・・けれどもやっぱり彼女たちの卒業というものをしっかりと見守りたいと思います。そして、25・26話の番外編ではどんな話が描かれるのか今から気になるところですね。どんな話が描かれるのか想像していると、卒業へ向かっている寂しさが少し和らぐかもしれませんよ？


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