Welcome to our adolescence.

化物語　第15話（最終話）「つばさキャット 其ノ伍」

忍野メメの不自然な態度の原因は、忍野忍の家出だった。八九寺、神原、千石らとともに忍を探す阿良々木だが、どうしても見つけることができない。途方にくれる阿良々木の前に現れたのは……

脚本：木澤行人　絵コンテ・演出：尾石達也　作画監督：渡辺明夫、岩崎たいすけ　作画監督協力：武内宣之、西田美弥子、赤井俊文、中村直人、坂本千代子、山村洋貴　作画監督補佐：阿部厳一朗、松本元気


これは…切ない恋のお話。

羽川は暦に恋をしていた。
だからこそ、ストレスを溜め込んでいってしまった…と。
単純なことではあるのですが、暦にはそれがわかっていない。
根本的に理解していないのだ。
しかし、鈍感こそ主人公たる所以！…だと私は思っています(笑)

消えた忍はどこへ行っていたのか？
血眼になって探したものの、答えは灯台下暗し。
暦の影の中にいた。
そこにいた理由というのは明かされていないものの、暦と忍の関係…なんてものが容易に想像はつくので、そんなところから推測いただきたい。
終わってみれば、そんなもんなんだと呆気無いものです。
ブラック羽川との決着も、終わってみればあっという間…。

そして…消えた忍野メメ。
前回の手を振っていた忍野は別れの挨拶だったんですよね。
いや、あれはアニメで加えられたシーンなのであって、
元々はあの「言葉」が別れの挨拶だったわけなのです。
「お人好し」なんて言葉がこれほど似合わない男もいないと思いますが、まさに忍野メメはそういう男なんだと思います。

そんなわけで、最終的には暦のひたぎへの愛の強さを確認することとなった最終話なのでした。
羽川さん可哀想です…という結果なのですが、彼女の魅力？は傷物語でこれでもか！というくらい発揮されているので、そちらをご覧いただきたい。
…いや、アニメ化も楽しみにしていたいところです。

個人的には、12話が最終話だと思っているんですがね。
それ以降は…ある種の余談。
幸せな者の影には不幸な者も存在している…とどこかダークな部分を見せつけられたお話。
まぁ、それでこそ化物語だと思うんですがね。
むしろ影が多い。ダークなのがこの作品らしさだと思っております。

ちなみに…化物語以降の話もけっこう余談だったりするので(笑)


時間がかかっているだけあって、なかなかのクオリティ。
羽川の苦悩の表情づけ（泣いているところ）は非常によかったですね。
暦も主人公らしく、しっかりと表情がキマっておりました。

演出についてはもはや語り尽くされた感があるので、今さら…という感じもしますね。
最後まで、どこか平面的な無機物の連鎖…を徹底したのはさすがです。
ここがブレてしまったら化物語の世界観ではなくなってしまいますからね。

とにかく、この完成度には驚く限りです。


さてさて、「ついに最終回を迎えましたか…」
そんな言葉が純粋なる想いとでもいいましょうか。
まさか完結までに1年もかかると思ってませんでしたから(笑)

これで、シャフトは化物語という呪縛から解放されるんだなぁ…と。
そんなことを思うのです。
尾石さんが他作品に携われるようになるのは大きいですしね。
ひだまり☆☆☆に尾石さんが参加できていれば…。

化物語は、シャフト作品の一つの完成形だと思います。
文字演出。
アニメの中での実写の挿入。
そして、デジタルの背景。
シャフト作品の中での、尾石さんが辿り着いた一つの形…と言った方が良いでしょうか。
この作品で一つの完成形を見ることができました。

…では、ここから今後どんなものを見せていってくれるのか。
気が早いですが、そんな部分に非常に期待したくなるわけでして。
来期はシャフト作品がないのですが、その次からどんなものを見せてくれるのでしょう。

ひとまずは、「化物語」ここに完結！


〔↓気に入ってもらえたら、一押ししてくれると感謝です〕






オリジナルドラマCD 佰物語 (講談社BOX)
君の知らない物語／supercell

関連記事

• 化物語　第15話（最終話）「つばさキャット 其ノ伍」
• 化物語　第14話「つばさキャット 其ノ肆」
• 化物語　第13話「つばさキャット 其ノ參」

テーマ:化物語 - ジャンル:アニメ・コミック